子どもに読ませたいおすすめ児童文学6選

大人が読んでも面白い児童文学はたくさんあります。子どもにおすすめの6冊を紹介します。
 

児童文学とは

子どものために書かれた本であることが定義です。子どもの年齢や発達段階に合わせた教育の一部ともいえます。子ども観の確立に伴って、児童文学は誕生しました。児童文学は、0歳から10代、概ね12歳頃までのプレティーンの読み手や聞き手を対象にした文学作品およびジャンルであるが、ティーンエイジャーまでを範疇に含む場合もある。イラストレーションが添えられている場合が多いようです。
 

日本における児童文学の歴史

日本では明治頃までは児童文学の概念はありませんでした。昔話や挿絵の入ったいわゆる絵本なども特別に子ども向けといったものではなかったようです。

大正の時代になると童話が誕生します。童話という言葉には、純粋な子どもの心である、童心を大人も学ぶべきだという当時のロマン主義的な意味が込められているといわれています。多くの文学者が、童心に理想を見出し大人をも読者と想定して、童話という表現形式を選んだ時代です。

昭和に入ると、子ども向けの物語にも社会性が導入されるようになりました。子どもの行動や心理を描きながらさまざまなことを考えさせるような作品が登場します。その頃に児童文学という言葉が定着たのです。
 

読書が減る子どもたち

テレビやビデオ、インターネット等の様々な情報メディアの発達、普及によって子どもたちの生活環境は変化しています。幼児期からの読書習慣がないという理由から子どもの読書離れが増えています。

児童生徒が1ヶ月間の間に本を1冊も読まなかった子どもたちの割合は小学生9%、中学生33%、高校生56%となっており、中学校以降極端に読書量が減少しているという調査結果があります。

趣味としての読書をしないと答えた生徒は、日本で55%にのぼっていて、どうしても読まなければならないときしか、本は読まないという傾向があるようです。
 

読書の習慣

夏休みの宿題で読書感想文があったり、秋には読書週間のようなイベントがありますが、それらは本に親しむため、読書の習慣を身に付けるためという一面があります。子どもの頃から読書に親しむことに大きな意味を持つからです。

子どもの頃から本に触れること、本を読むことを日常生活に取り入れることで、読書の習慣をつけることができます。
 

本を読むことのメリット

子どものうちから読書をするとたくさんのメリットがあります。  
 

記憶力、集中力がつく

本を読むには文章を理解するために集中力を必要とします。また物語を頭の中に入れながら、読み進めていくため、読み終わったページを記憶しておく必要があります。最初はなかなか集中できなかったり、読み終わった部分を忘れてしまい戻って読みなおすことがあるかもしれませんが、読書を続けることでこれらは改善されます。

徐々にスムーズに本を読むことができるようになるころには、集中力と記憶力がついていることでしょう。 
 

語彙力、文章力がつく

本は基本的に書き言葉といわれる、普段TVや動画では使われない言葉や表現で書かれていることが多くあります。本をあまり読まないとそれらの書き言葉が少しわかりづらく感じることもあるかもしれませんが、それは新しい言葉や言い回しを覚えるチャンスでもあります。

分からない理解しようとする気持ちが、語彙力を高めるきっかけにつながり、語彙力が高くなると使える言葉が増えていきます。自身の言いたいこと、伝えたいことをより正確に表現することができるようになるのです。
 

教養、知識、情報を得ることができる

本にはたくさんの情報や知識が詰め込まれています。TVやインターネットには不確かな情報も多く存在しますが、本は違います。これまで知らなかった世界を知るためのきっかけとなり、ひとつのものごとに対して、深く掘り下げることで、歴史や概要、特徴まで多くのことを吸収することができます。読書によって得た知識や情報は、自分の教養となり、視野が広がっていくのです。
 

想像力が身につく

ただ文章が書かれているだけの本を読みながら、情景を思い浮かべ、登場人物に思いをはせ、そこにある心情の変化などを読み取り、その世界を想像します。これらの作業は、想像力を豊かにしてくれます。想像力は読書の時はもちろんのこと、人とのコミュニケーションなど人間関係上でも需要なポイントとなります。

相手の立場にたって考えたり、人の気持ちを想像したりすることは、想像力がないとできません。また自分自身をコントロールするうえでも想像力が大きな役割を果たすので、自身の心や精神的な成長の助けにもなるのです。
 

ストレスが軽減される

本の世界に入り込むことで想像の世界で非現実世界を楽しむことができます。現実でのストレスから解放される時間となり、ストレスを軽減するために有効な手段といえます。本を読むということは、これだけ多くのメリットがあるということなのです。情報や知識を得ることができるだけでなく、精神的な面にも大きく作用することがわかっています。

これらのメリットからわかるように、本を読む人と読まない人では日常生活や人格形成などに大きな差となって表れてくるでしょう。子どもの頃からの読書週間が大人になってからも役に立つのです。
 

子どもに読ませたいおすすめの児童文学5選

名作から人気作まで、子どもによませたいおすすめの児童文学6選を紹介します。

ふたりはともだち

著者 アーノルド・ローベル
価格 1,045円

低学年から読むことができる、がまくんとかえるくんのお話です。大人は誰もが一度は読んだことがあるかもしれません。計5話となっていてます。手紙をもらったことがないがまくんのために、かえるくんがこっそりお手紙を書いてあげる物語「おてがみ」は有名な物語です。読み聞かせにもぴったりで、思いやりの気持ちを育てることができます。

はてしない物語

著者 ミヒャエル・エンデ
価格 3,146円

映画で有名な「ネバーエンディングストーリー」のモデルとなった物語です。バスチアンはいじめられっ子から逃げ込んだ古本屋で一冊の本を見つけます。あることをきっかけにバスチアンは物語の中へと吸い込まれていきます。まさにはてしない世界で主人公のバスチアンとともに冒険をしているような気分になれる作品です。

ぼくらの七日間戦争(角川つばさ文庫)

著者 宗田 理
価格 836円

実写映画化もされたシリーズの1作目となります。中学生たちは親や教師に抵抗するために解放区を作り、立てこもりを始めます。そのとき仲間のうちの1人が誘拐されてしまい、大混乱となります。ドキドキするストーリー展開が魅力のこの作品は、小説の第一歩として高学年におすすめです。

若草物語

著者 L・M・オルコット
価格 836円

19世紀半ばのアメリカを舞台にした、4姉妹の日常を描いた小説です。賢い長女、自由な次女、おとなしい三女、想像力豊かな四女。キャラクターわけがわかりやすく、姉妹たちの日々の様子、成長の様子を楽しんで読むことができます。

窓ぎわのトットちゃん

著者 黒柳徹子
価格 880円

黒柳徹子さんの自叙伝となるこの作品は、長年名作として知られています。物語は問題児といわれるトットちゃんがトモエ学園での生き生きと生活する様子が描かれています。楽しい時間は長く続かず、戦争の影が近づいてきます。

銀河鉄道の夜

著者 宮沢賢治
価格 473円

宮沢賢治の代表作となるこの作品は美しい世界観が表現されている一方で、本当の幸せとはなにか、といった哲学的な内容もあります。中学生以降におすすめの小説です。
 

まとめ

児童文学は子どもたちの心も生活も豊かにしてくれます。読書の習慣をつけるためにもいまからたくさん本を読んでもらいたいと思います。おすすめの児童文学6選を参考に、興味がありそうな本を子どもにプレゼントしてあげるのもいいかもしれません。